猫ワクチン

猫ワクチンについて

猫ワクチン接種は、生後２ヶ月で３種混合（１回目）、生後３ヶ月で３種混合（２回目）を接種します。2回目接種の1年後から毎年定期接種します。

猫ワクチン接種時期

どの動物の赤ちゃんも免疫系が未熟な状態で生まれます。自然界では初乳（出産後最初の数日間母親が出す乳）に含まれる抗体で身を守ってくれますが、すべての子猫が初乳を摂取できるわけではありません。母猫の免疫がある間、注射されたワクチンは効果がなくなるので、母親の抗体が十分に低下するまで、ワクチンは接種できません。

ワクチン接種は通常、生後8週間程度で始まり、子猫が生後約3か月になるまで4週間ごとに2回接種します。 2回ワクチン接種を行う理由は、母猫の抗体が弱まる時期がさまざまであるためです。生後 14 ～ 20 週までに母猫の抗体はなくなり、ワクチン接種によって、免疫システムを維持できるようになります。

生後２ヶ月で３種混合（１回目）、生後３ヶ月で３種混合（２回目）を接種します。2回目接種の1年後から毎年定期接種します。

猫ワクチン注射部位肉腫

接種部位が重要です

全米猫医師協会の報告では、0.01%の割合で猫ワクチン接種をした部位が盛り上がって肉腫ができてしまうことがあります。

リンククリック☛猫の予防接種ガイドライン

背中や肩甲骨付近ではなく、後ろ脚、しっぽに注射しなければいけません

猫のワクチン接種推奨部位 — AAFP（全米猫獣医師協会）によるワクチン接種推奨部位と非推奨部位

図は、AAFP（全米猫獣医師協会）が推奨しているワクチン接種部位です。緑色の部分が推奨部位、バツ印の付いた部分が非推奨部位になります。万が一背中に悪性腫瘍が出来てしまった場合、手術で切除するのが非常に難しくなるという観点から、背中や肩甲骨付近ではなく、後ろ脚、しっぽに注射しなければいけません。飼い主様は前回のワクチン注射を体のどの部位に行ったかを記録しておくようにします。

アルミニウムアジュバント

電子プローブ微量分析によって腫瘍マクロファージ内にアルミニウムアジュバント粒子が同定されています。スイスでは非アジュバント猫ワクチン使用増加により、スイスの猫において注射部位肉腫が減少したことが判明しております(Graf et al 2018)。2020年のAAHA全米動物病院協会/AAFP全米猫獣医師学会のネコワクチン接種タスクフォースは、アジュバント添加ワクチンがアジュバント無添加ワクチンよりもリスクが高い可能性を示唆する証拠に同意しました(Stone et al 2020)　2017年のin vitro研究では、水酸化アルミニウムアジュバントが DNA 損傷または細胞増殖および細胞周期進行を誘導する能力を調べました (AbdelMageed et al 2017)。彼らは、水酸化アルミニウムがネコ科の線維芽細胞の DNA 増殖と細胞周期の進行を誘導することを発見しました。アルミニウムは炎症を誘発せずに発がんに寄与している可能性があります。

①当院では誘発因子であるアルミニュウムアジュウバンドを含有しないワクチンを使用しております。

進行性間質性腎不全

猫の進行性間質性腎不全は老齢ネコの５０％に見られます。その原因に猫腎臓 (CRFK) 細胞株を利用して製造された猫ワクチン接種が危険因子になる可能性があります。猫腎不全のリスクを減らすために

②当院ではワクチン製造段階で猫腎臓細胞（CRFK）を利用していないワクチンを使用しております。

猫ワクチン副反応

ワクチン副反応の一番の原因はBSEと言われています。初回ワクチンは追加ワクチンよりも副反応に敏感で。初回ワクチン接種は抗原特異的リンパ球のクローンの増殖を刺激しますが、追加ワクチン接種は抗原特異的リンパ球のクローン増殖に対する刺激が弱いです。最初のワクチンで副反応反応がでなかった場合追加ワクチン接種の副反応の可能性は低くなります。最初の反応がアナフィラキシーであった場合は、ワクチン接種の必要性を評価検討してください。ワクチン接種時に猫が軽度の感染症にかかっている場合、炎症誘発性サイトカインがすでに放出されているため、副反応が起こる可能性が高くなります。

③当院ではBSE濃度が最も低いワクチンを使用しております。