こざわ犬猫病院

ブドウ中毒

ブドウ中毒 について

犬猫はブドウの果肉やレーズンに含まれる酒石酸が原因でブドウ中毒、急性腎不全をおこします。
実験では、ぶどうは体重1Kに19.6g レーズンは体重1Kに2.8gで急性腎不全を起こし、
小型犬(8K以下)ではわずかブドウ4粒で急性腎不全をおこしました。
ブドウの熟度によって原因物質である酒石酸の含有量に幅があるため、犬猫にはブドウ一粒でも非常に危険です。

犬猫のブドウ中毒
小型犬(8K以下)ブドウ4粒で急性腎不全をおこします

ブドウやレーズンで犬猫がブドウ中毒をおこす事実が認知されたのはまだ最近のことです。
1999年頃から米国動物毒物管理センターが、ブドウを食べた後の犬猫の体調不良に気づきはじめ、
2001年にブドウを食べた犬が重度の腎不全を発症した症例が初めて学会報告されました。

目次

  • ブドウ中毒の原因
  • 猫のブドウ中毒
  • ブドウ中毒になるブドウの量
  • ブドウジュースは中毒をおこしますか
  • ブドウ中毒の症状
  • ブドウ中毒の治療法

 

ブドウ中毒の原因

ブドウ中毒の原因は酒石酸です。ブドウ中毒の原因成分は水溶性で、種子ではなくブドウ、レーズンの果肉内にある酒石酸と特定されています。あらゆる種類のブドウが有毒である可能性があります。

ブドウ中毒の原因物質 酒石酸とは

酒石酸は、さまざまな植物に含まれる有機酸です。ブドウとタマリンドの濃度が最も高くなります。酒石酸の量は果物の品種、生育条件、環境によって異なり、タマリンドの果肉には 8 ~ 18% の酒石酸が含まれていますが、ブドウには 2% も含まれる場合があります、サクランボなどの他の果物には0.008%、ラズベリーには0.009%の酒石酸が含まれています。

酒石酸の吸収、除去、毒性には動物種差があり、犬は有機酸を排泄する能力が低く、有機酸に対して独特の感受性を持っています。酒石酸が尿細管壊死を引き起こす正確なメカニズムは不明ですが 他の有機酸(マレイン酸)は、犬に同様の腎障害を引き起こし、NaK-ATPase 活性を選択的に阻害したり、近位尿細管内の ATP を枯渇させたりすることが解っていますので、酒石酸の毒性も同様のメカニズムの可能性があります。

参考文献👉酒酒石クリームとタマリンドの摂取後の犬の急性腎障害と、ブドウとレーズンの有毒成分として提案されている酒石酸との関連性

猫のブドウ中毒

犬も猫も同じようにブドウ中毒で急性腎不全を発症しますが、猫はぶどうを好んで食べないので、症例はほとんど報告されていませんが猫も食べれば犬と同じように中毒を起こします。フェレットも中毒が報告されてますが、鳥は中毒をおこさないようです。

ブドウ中毒になるブドウの量

中毒の原因物質である酒石酸の含有量は果物の熟度に応じて変化するため、中毒症を引き起こすために正確な量は不明ですが、実験では、ぶどうは体重1Kに19.6g レーズンは体重1Kに3gで中毒をおこしましたが、これ以下の量でもブドウ中毒になる場合もあります。

ブドウジュースは中毒をおこしますか

現時点では、米国動物毒物管理センターに、ブドウジュース、ゼリー、葉、ブドウ種子油、ワインによるブドウ中毒の報告はありません加工製品として販売されている、ブドウジュース、ジャム ワイン等は加工過程で酒石酸が除去されている可能性があり、ブドウの熟度による酒石酸の減少、加熱によって酒石酸が減少することで毒性が減少する、熟成過程で酒石酸が沈殿する等が考えられます、但し製品によっては酒石酸が除去されてない可能性もあり毒性は不明ですので与えないようにしましょう。

犬用ワインも与えないでください

ブドウ中毒の症状

ブドウ中毒の腎臓: 尿細管の管腔には、脱落して壊死した上皮細胞 (星状) と混合した好酸球性のタンパク質性物質が含まれています。 HE染色、×400
ブドウ中毒の腎臓: 尿細管の管腔には、脱落して壊死した上皮細胞 (星状) と混合した好酸球性のタンパク質性物質が含まれています。 HE染色、×400

約 50 ~ 88% の犬は、ブドウ レーズンを摂取した後にすぐには何の症状も示しません。
摂取が判明している95頭の犬を対象としたオランダの研究では、症状を発現したのはわずか14頭(14.7%)でした。
ブドウやレーズンを摂取した動物の約 15% が嘔吐、食欲不振、などの症状をだします。
多くは摂取直後に嘔吐しますので、ブドウを嘔吐してくれれば、急性腎不全の発生率は減少します。

摂取後に救急病院に運ばれた606頭の犬の研究では、食べてからから処置までの時間が増加するにつれて、臨床症状(嘔吐、下痢、嗜眠、腹部膨満)増加しました。(Croft et al 2021)。摂取後 12 時間以上経過した 38 頭の犬のうち、25 頭 (66%) に中毒症状が見られました。神経学的異常(例、震え、振戦、発作、運動失調、前庭および小脳の兆候)発生しています。病理組織学的には、近位腎尿細管変性および壊死が最も一般的な所見です。腎皮質尿細管の石灰化も観察される場合があります。139頭の犬を対象とした研究では、6.7%で急性腎不全が発症し、138 頭の犬が生き残り、1 頭の犬が死亡しました。

食べてから治療開始までの時間がかかった症例ほど重度になりますので、出来るだけ早く治療を開始してください

国動物毒物管理センターサイト☛ASPCA 動物毒物管理センター

ブドウ中毒の治療法

ブドウ中毒に対する解毒剤は確認されていません。
ブドウを食べてしまったら、すぐに動物病院で吐かせてもらってください。
研究ではブドウ摂取後 4 時間以内に嘔吐した場合は 98% の犬が回復しました、その後活性炭を投与し毒性物質を吸着させます。点滴治療で利尿させ3日間は腎臓に損傷がおきないかモニターします。3 日経過しても腎臓に損傷がなければ予後は良好です。

早期に嘔吐させて点滴治療を開始することが重要

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