猫の心臓病に新しいアプローチ!「糖質制限」が心臓を守る理由
猫の心臓病に新しいアプローチ!「糖質制限」が心臓を守る理由 について
最終更新日 : 2026年10月29日
猫ちゃんで最も多い心臓の病気、「肥大型心筋症(HCM)」をご存知でしょうか? これは、心臓の筋肉(心筋)が分厚くなってしまい、心臓の働きが悪くなることで、将来的に呼吸が苦しくなったり、血栓ができたりする恐い病気です。
これまで、この病気の進行を食事だけで食い止めることは難しいとされてきました。しかし最新の研究で、「毎日のごはんの成分(糖質)」が心臓の厚みに深く関わっていることが分かってきたのです。
■ なぜ「糖質(デンプン)」が心臓に関係するの?
猫ちゃんがデンプン(糖質)の多いごはんを食べると、体内で「インスリン」や「IGF-1(インスリン様成長因子)」というホルモンが増加します。実は、このホルモンが心臓の筋肉に「もっと分厚くなりなさい」という間違った指令を出してしまうことが明らかになりました。
■ 最新の臨床研究で分かったこと
実際の臨床研究(※)で、まだ症状が出ていない肥大型心筋症の猫ちゃんたちに「デンプンを制限したフード」を12ヶ月間食べてもらったところ、驚くべき結果が出ました。

1. 心筋を厚くするホルモン(IGF-1)が低下 糖質を抑えることで、心臓に負担をかけるホルモンの分泌が落ち着きました。
2. 心臓の壁の厚みが減少(肥大の抑制) 分厚くなっていた心室中隔や左室後壁の厚みが減少し、進行を抑える効果が確認されました。
3. 心筋へのダメージが軽減 血液検査において、心臓の筋肉へのダメージを示す数値(cTnI)がしっかりと下がっていました。
■ 新しい療法食「ロイヤルカナン 心臓サポート」
当院では、この最新のエビデンスに基づいて開発された新しい療法食、ロイヤルカナン「猫用 心臓サポート」の取り扱いを開始しております。従来の心臓病食のような「ナトリウム制限」だけでなく、心臓が分厚くなるメカニズムそのものにアプローチする画期的なフードです。
心臓病は、初期の段階では見た目にまったく症状が現れません。 「最近、寝ていることが多いかな?」「健康診断で心臓の雑音を指摘されたことがある」など、少しでも気になることがあれば、病気が進行してしまう前にぜひ当院の獣医師までお気軽にご相談ください。
大切な猫ちゃんの心臓を守るために、最新の知識と治療でしっかりとサポートさせていただきます。
(※参考文献:Journal of Veterinary Internal Medicine, 2020)



