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犬と猫の食事と心臓病

犬と猫の食事と心臓病 について

犬と猫の食事と心臓病

衝撃の事実!愛犬・愛猫のそのフード、心臓病のリスクを上げているかも?


「穀物不使用」なのに危険?ペットフードと心臓病の知られざる関係

健康志向の高まりとともに、「グレインフリー(穀物不使用)」や「豆類ベース」のペットフードを選ぶ飼い主さんが増えています。しかし、これらの食事が、実は愛犬や愛猫の心臓病(心筋症)を発症させるリスクがあることをご存知でしょうか?

「うちの子のフードは大丈夫?」そう感じた方は、ぜひこの情報に目を通してください。あなたの愛するペットの命を守るために、知っておくべき大切な情報です。

目次

1ペットの食事が心臓疾患を引き起こす可能性はありますか?

2食事に関連する心筋症はタウリン欠乏だけが原因?

3タウリン欠乏ではない場合、一体何が原因なの?

4「グレインフリー(穀物不使用)」や「原材料が限られている」食事は本当に問題ない?グ

5もし今、穀物不使用・豆類ベースの食事を与えている場合はどうすれば?

6【重要】FDA(アメリカ食品医薬品局)に報告された心筋症の原因とされるペットフード一覧


1. ペットの食事が心臓疾患を引き起こす可能性はありますか?

はい、残念ながら可能性はあります。 約30年前、獣医師たちは猫の拡張型心筋症(心臓が拡張し、血液をうまく送り出せなくなる病気)の原因がタウリン欠乏であることを発見しました。猫は体内でタウリンを作れないため、食事からの摂取が不可欠だったのです。

かつて一部の市販キャットフードにはタウリンが不足していましたが、現在では多くのペットフード会社が十分なタウリンを添加しているため、猫のタウリン関連心筋症はほとんど見られなくなりました。

しかし近年、今度は特定の犬種でタウリン欠乏に関連する心筋症が確認されるようになりました。犬は猫と異なり、体内でタウリンを合成できるため、当初その原因は不明でした。しかし、高用量のタウリンを補給すると症状が改善することから、様々な食事要因が犬の体内でのタウリン合成プロセスに影響を与えている可能性が考えられています。

実際に、特定の食事が犬の心臓病発症と関連付けられるようになりました。例えば、子羊肉と米を主原料とする市販フードを与えられたニューファンドランド犬がタウリン欠乏症と心筋症を発症したケースや、ビーガン(完全菜食主義)やベジタリアン(菜食主義)の食事を与えられた犬でも同様の報告があります。最近では、ゴールデンレトリバーでもタウリン欠乏症に関連する心筋症が判明しています。

2. 食事に関連する心筋症はタウリン欠乏だけが原因でしょうか?

いいえ、近年ではタウリン欠乏に関係していない犬や猫の心筋症が発症しています。多くの罹患犬の血液検査では、タウリン濃度が正常であったにもかかわらず心筋症を発症していたのです。このことから、タウリン欠乏以外の新たな原因が示唆されています。

3. タウリン欠乏ではない場合、一体何が原因なの?

現時点では完全に解明されていませんが、唯一の共通点は、レンズ豆や他のマメ科植物(エンドウ豆など)を「基本材料」として使用する「グレインフリー(穀物不使用)」の食事でした。グレインフリーの食事がどのようなメカニズムで心筋症を引き起こすのかは、まだ研究段階です。

4. 「グレインフリー(穀物不使用)」や「原材料が限られている」食事は本当に問題ない?

残念ながら、グレインフリーという表示は、多くの場合、フード会社の販売促進のためのマーケティング戦略であり、医学的に特別なメリットが証明されているわけではありません。

むしろ、ひよこ豆、レンズ豆、豆類、乾燥エンドウ豆などの豆類を多く含む犬や猫の食事は、穀物(トウモロコシ、米、小麦など)の有無に関わらず、心筋症の発症と関連していることが明らかになっています。

5. もし今、穀物不使用・豆類ベースの食事を与えている場合はどうすれば?

まずは、お使いのペットフードの成分表示をチェックしてみましょう。もしエンドウ豆やレンズ豆などの豆類が主要な成分として記載されている場合は、穀物を含むバランスの取れた食事への変更を検討してください。

「どうしても今の食事を変えたくない」という場合は、犬や猫に心筋症があるかどうかを確認するために、心臓超音波検査を受けに動物病院へお越しください。

特に、アメリカン・コッカー・スパニエル、ゴールデン・レトリバー、ニューファンドランド、ダルメシアンなど、タウリン欠乏症のリスクがある犬種を飼っていて、かつ該当する可能性のある食事を与えている場合は、血中タウリン濃度を検査し、心臓超音波検査で心筋症の有無を判断することが重要です。その上で、獣医師の指示に従って食事を変更し、必要に応じてタウリンを補給してください。

6. 【重要】FDA(アメリカ食品医薬品局)に報告された犬猫の心筋症の原因とされるペットフード一覧

アメリカのFDA(食品医薬品局)は、食事に関連する心筋症の症例を継続的に調査し、関連が疑われるペットフードのリストを公開しています。

詳細はこちらのPDF資料をご確認ください: FDAに報告された心筋症の原因とされるペットフード一覧


愛するペットの健康を守るために、ご相談ください

愛犬や愛猫の食事は、健康の土台です。もしご使用のフードについてご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。当院では、最新の知見に基づき、あなたのペットに最適な食事のアドバイスと、必要に応じた健康チェックを行います。

 

 

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