猫の下部尿路疾患の原因
猫の下部尿路疾患の原因 について

【要注意!】愛猫のSOSサインかも?「尿のトラブル」に気づいたらすぐ病院へ!
「あれ?最近、猫がトイレで変な様子…」「もしかして、おしっこが出てない?」そんな心配はありませんか?猫のおしっこのトラブル(下部尿路疾患) は、実はとても身近な病気。気づくのが遅れると、命に関わることもあるんです。
今回は、猫の下部尿路疾患で見られるサイン、その意外な原因、そして愛猫を守るために必要な検査について、わかりやすく解説します。
「うちの子、大丈夫?」見逃さないで!おしっこのSOSサイン
猫がおしっこで困っている時、こんなサインを出しているかもしれません。一つでも当てはまったら、要注意です。
- 血尿が出ている! おしっこの色がいつもと違う、ピンクっぽい、赤っぽいと感じたら要注意です。
- トイレで「いきむ」姿が増えた! おしっこを出そうと何度も力んでいるのに、なかなか出ない、少ししか出ない。もしかしたら、うんちと間違えてしまうような「いきみ」方をしていることもあります。
- トイレ以外で粗相するようになった! ソファやカーペット、お気に入りの場所など、これまでしなかった場所でおしっこをするのは、体の不調を訴えるサインかもしれません。
- 「おしっこが出ない!」これは緊急事態です! トイレに行っても全く尿が出ない、ずっとトイレにこもっている場合は、尿道が詰まっている可能性があります。これは命に関わる危険な状態なので、すぐに動物病院へ連れて行ってください!
- お股(尿道口)をしきりになめる! 痛みや不快感から、おしっこの出口を気にして、執拗になめ続けることがあります。
なぜ?猫の「おしっこの病気」の意外な原因
猫の下部尿路疾患は、様々な原因で起こります。特に、年齢によって原因の傾向が変わるのが特徴です。
全ての年齢で共通の原因(発症のピークは4歳頃)
- 原因不明!?ストレスも関係する「特発性膀胱炎」: なんと半分くらいの猫は、徹底的に検査しても原因が特定できません。これは「特発性膀胱炎」と呼ばれ、環境の変化やストレスが関係していることが多いと言われています。
- 「膀胱結石」ができた!: おしっこの中に石ができてしまう病気で、**約20%**の猫に見られます。
- おしっこが詰まる「尿道閉塞」: 特に男の子の猫に多い、緊急性の高い病気です。全体の**約20%**に起こります。
- まさかの「がん」や「ケガ」も: 稀ではありますが、尿路にがんができたり、交通事故などでケガを負ったりすることもあります。
10歳以上の高齢猫は要注意!
年を重ねた猫では、原因の割合が大きく変わってきます。特に多いのが、「尿路感染症」。
- 細菌感染が急増!「尿路感染症」: 高齢猫の約半分は、細菌感染が原因です。
- 腎臓の機能低下も併発: なんと**66%**の高齢猫で、腎臓の機能低下も同時に見られます。おしっこの病気は、腎臓の健康とも深く関係しているんですね。
- その他、膀胱結石やがん、尿道閉塞、尿失禁などの可能性も。
愛猫を守るために!動物病院で行う検査とは?
愛猫に上記のサインが見られたら、自己判断せず、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。適切な診断のために、いくつかの検査が行われます。
- 尿検査は必須!
- 一番大切な検査です。おしっこの中に血、結晶、細菌がいないかなどを確認します。
- 特に10歳以上の猫の場合は、細菌感染している可能性が高いので、尿を培養して詳しく調べる検査(細菌培養検査) もセットで行うことがほとんどです。
- レントゲン検査(X線検査)で石をチェック!
- 膀胱の中に結石がないかを確認します。結石の種類によってはレントゲンに写らないこともありますが、大切な情報源です。
- 超音波検査(エコー検査)で内部を詳しく見る!
- 膀胱や尿道の内部を細かく観察し、腫瘍やレントゲンに写らないタイプの結石がないかなどを確認します。
残念ながら、これらの検査を全て行っても、明確な原因が特定できないこともあります(「特発性膀胱炎」など)。しかし、適切な治療方針を決めるためには、これらの検査は不可欠です。
まとめ:早期発見・早期治療が何よりも大切!
猫のおしっこのトラブルは、放置すると重症化し、命に関わることもあります。日頃から愛猫の排尿の様子をよく観察し、少しでも気になる症状があれば、迷わず動物病院を受診してください。早期発見・早期治療が、愛猫の健康と長生きの秘訣です!
猫がトイレで排尿をするときにいつもと違う様子が見られたら、それは下部尿路疾患のサインかもしれません。この病気は、原因が異なっていても同じような症状を示すことが多いため、飼い主さんがそのサインに気づくことが非常に重要です。